2017年09月22日

5時から7時までのクレオ

 以下の文章では、映画「5時から7時までのクレオ」の内容・結末に触れています。ご了承ください。

 これも題名は聞いたことがあって、見たことのない映画の一本だった。
 5時「から7時までのひとりの女性をその時間のままに沿って描いた、というふうに聞いていたので、「なんで上映時間が2時間じゃなくて90分なの?」と思っていた。
 初めに主人公がタロットカードで占ってもらう、その並んだカードだけがカラー。一枚一枚の絵柄がはっきり映る。しかし、主人公や占い師は白黒でしか映らない。その占いが終わったところからは全部白黒。
 そして「5時から5時5分までのクレオ」という具合に、章立てがされている。
 最後のほうでクレオは若い男に出会う。
「新しいものほど面白いのです」
「あなたはよくご存じね」
「好奇心が強いので」
「じゃあ見に行けば?」
「好奇心はあるが怠け者なのです」
といったやり取りがあって、男はアルジェリアに行っている兵士なのだが休暇中で、しかもその休暇は今日で終わり、今夜には旅立つとわかる。7時になったら医師から電話がかかってくる、というクレオに、そんなに結果が気がかりなら病院に聞きに行けばいい、一緒に行こうと言う。だから30分早いのか。最後の章は「6時15分から6時30分のアントワヌとクレオ」だ。
 クレオはやはり病気で、しかし医師は放射線治療で必ず治す、と言う。クレオはもう怖くない、幸せだとアントワヌを見つめる。もちろん「無駄死には嫌だ」と言っていたアントワヌが戦場に戻ってどうなるかはわからない。クレオの病気についても、医師は必ず治す、と言うがどうだろう。しかし、それでも出会う前と出会った後のふたりは違うのだ。キスするわけでもなく、見つめ合う2人のアップが突然切られるように終わるのも良かった。


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