2015年03月26日

『残念な夫。』感想

 以下の文章では、テレビの連続ドラマ『残念な夫。』の内容・結末に触れています。ご了承ください。


 男性が、謙遜のつもりなのか本音なのか、「男なんて、しょせん女のてのひらの上で踊らされているようなものですよ」というニュアンスのことを言う時がある。『残念な夫。』終盤の離婚騒ぎを見ていて、そういうことだったのか、陽一、結局、妻の知里のてのひらの上で踊らされていた?とふと思った。もう一度、本当に「父親」になる気があるのか?と確認されていたんじゃないのかと。
 というのは浮気(?)がバレてから離婚調停までの知里は、とても感情的になっているように描かれているけれど、裏ではそうではなかったのではないかと思えるフシがあるからだ。
 第一回の調停の時、知里は調停委員に「これが送られてきたんです」と浮気相手から送られてきた陽一の写真(だと思う。画面には映らない)を見せる。当たり前だが陽一の相手は、陽一のスマホにそれを送ったのだ。陽一がスマホを自宅に置き忘れ(どこへ行ったかと探していたのだが、出勤時刻になって、仕方なくそのまま出た)その後、娘の華ちゃんがそれをいじっているのを知里が見つけるという展開だった。知里がそのまま陽一のスマホを取り上げたとは考えにくいので、わざわざ自分のスマホに転送して保存しておいたということなのだろう。証拠として? ずいぶん用意周到ではないか。
 また、最終話になって、知里が実家に帰る前に、浮気相手に会っていたことがわかるのだが、そこでは感情的になることなく、冷静に話している。そもそも会うためには、やっぱり陽一のスマホから連絡先を控えておいたのだろう。これも用意周到。
 だから、あの調停とその前における知里の感情的な話し方は、もしかして陽一にもっと考え直してほしかったからで、心から離婚を望んでいたわけではないのでは?
 もう少し理屈をこねるなら、離婚を決意していたのなら、なぜすぐに働き口くを探そうとしなかったのだろうという疑問もある。
 現・夫からの再プロポーズ。お礼の言葉。もちろん、知里のほうからもそれは言うわけだけれど、やっぱり夫にそう言わせたくて、そこまでの行動をしていたんじゃないのか?という気もする……
 もちろん、このエンディングを否定するわけではない。後味のいい終わり方でよかったと思う。


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