2012年08月21日

それでも、愛してる

 そうか、ジョディ・フォスターはこういう映画を撮るのか。それが見終わってすぐの感想だ。
 いい年をした男。うつ病。自殺に失敗して、左手にはめたパペットのビーバーに自分を鼓舞する言葉を語らせると、表面上は、うまく生きていけるようになる。ビーバーの声だって男自身が出しているのだから、とりようによってはコメディにもできるはず。でも、そうはしていない。あくまでも現実の中で、少なくとも「これくらいなら実際にありそうだろう」と感じさせる範囲で、お話は進む。うつ病の人とその家族を真面目に描きたかったのだろう。
 だから結末も無理やりくっつけた感じはないが、カタルシスもない。「良かった~」とは、思わせてくれない。そういうと何だか不満がたまりそうだが、そうでもない。気分が高揚する映画ではないのだが、ビターな中に落ち着いた映画として見せてもらった。


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