2014年11月18日

「嗤う分身」

 以下の文章では、映画「嗤う分身」の内容・結末に触れています。ご了承ください。
  
 

原作はドストエフスキーだそうだが、特定の国ではないようなレトロなセットを舞台に展開される。主人公の住むアパート、電車内、勤務先と、ほぼ室内ばかりで、外(街)のシーンもセットだろうが、夜で雨が降っている。
 何の仕事だかよくわからないがデキる奴とは思われていないサイモンの前に、新入りのジェームズが登場する。なぜかサイモンと同じ容姿なのに要領がよく、女にもモテる。そして周囲は、サイモンがしつこく指摘するまで、二人が「同じ顔」だとは気づかない。
 ジェームズは最初は、サイモンに憧れの女性ハナの気を引くコツを教えたりもするが、やがて案の定、ハナはジェームズの方に惹かれて……と、ほぼ予想通りに展開するのだが、予想ほど不気味でも脅迫的でもなかった。ブラック・ユーモアと言うなら、「ブラック」より「ユーモア」のほうが勝っている感じ。
 2役を演じたジェシー・アイゼンバーグは巧いし、憧れられるハナを演じたミア・ワシコウスカも可愛い。ちょっと面白いのは、日本の昭和歌謡が映画中で使われていること。彼女と話すことができて嬉しいサイモンが「上を向いて歩こう」に合わせてちょっと踊るようなポーズをとるのは微笑ましいが、英語圏の人が見る時には、いきなり流れ出す日本語の歌にどういう反応を示すのだろうかと思った。まあ「上を向いて歩こう」の場合は、メロディが有名だからいいのか?  

Posted by mc1479 at 12:36Comments(0)TrackBack(0)
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