2012年07月13日

ワン・ディ

 ラブストーリーは世にあふれている。それを見せるためには、どうするか。ある場面だけを切り取って示すというのは1つの方法だろう。
 もうずいぶん前に『フォー・ウェディング』という映画があった。あれは4つの結婚式と1つの葬式で出会い続ける(でもなかなか一緒にならない)男女を描いていた。
 今回のもイギリスが舞台なので、そんな感じなのかと思ったら、ずいぶん違った。大学の卒業式に出会った男女が長い「友達」時代を経て、結婚する。その過程で男も女も職業が変わっていく。男の「深夜の人気ショウ番組の司会者から有機野菜の栽培、それを使ったレストランの経営者」という変遷は、あまりにも時代に寄り添っている気がする。
 対する女は、バイト生活から教員、そして作家というのだから、こちらは古典的というか、もう少し昔からあり得る変遷だろう。
 その二人が結ばれてから、もっと波風あるのかと思ったら、わりとあっさりしている。男どうしが慰め合うという風景は意外なような、覚悟して見ておいたほうがいいというような。
 こんなにも「二人の物語」だとは思っていなかった。女は作家になるのだから、その読者から反響があって・・というような展開も考えられそうに思うのだが、そういうことにはならない。
 あくまでも「二人の物語」。二人をじっくり見るのには、それがいいのかもしれない。でもたいへん「閉じられた」感じがすることも事実だ。


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