2016年01月24日

渋谷

 以下の文章では、映画「渋谷」の内容・結末に触れています。ご了承ください。

 渋谷。
 そういう題名の映画だ。放映されるのを知って、見ようと思ったのは、監督の西谷真一が、ドラマ「あさが来た」のメイン演出家だから。もちろん、あのドラマとは全く違った映画だろうと知った上で、見た。
 フリーのカメラマン(ライターも兼ねているのか?)が雑誌の取材で、渋谷という町を象徴するような女の子を探し、写真を撮り、話を聞こうとする。駅前で気になった子がいて追うと、風俗店に入っていった。カメラマンは客として彼女に話を聞こうとするが、一度目は失敗。二度目は自分の身の上話をまずすることで、彼女からの話も聞けた……
 実際には、もう少し別の出会いもあるのだが、メインの彼女の話に限れば、彼女は家に帰る決心をする。そういう救いのあるところが「あさが来た」に似ていなくもない。
 ただし、渋谷の町を感覚的に切り取ろうとするかのようなカメラの動き方は、朝ドラのセットの中での安定した画面とは全く異なるものだ。そして実は、家に帰る決意をした女の子よりも、途中でカメラマンが出会う「青森から出て来て帰りたくなくて毎晩泊めてくれる人を探している女の子」のような危うい存在の方が多くいるのではないかという気もする。
 私にとっては何度も見返したいような映画ではなかったが、これを見ると逆に朝ドラというのが、いかに計算されたセtリフとカメラアングルによって作られているのかがよくわかった。


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