2014年12月09日

「マリー・アントワネットに別れを告げて」

 封切られた時、ちょっと興味がああったのだが未見だったので、今回放映されていたのを見てみた。
 以下の文章では、映画「マリー・アントワネットに別れを告げて」の内容・結末に触れています。ご了承ください。


 マリー・アントワネットの朗読係だった少女から見た革命の一エピソード。というより、王妃を愛し尽くした少女が愛ゆえに引き受けたこととは……という話。
 少女はその若さゆえにアントワネットに気に入られてはいるが、王妃が愛している同性はポリニャック夫人。
 バスティーユが民衆の手に落ちたことが聞こえてきて、ヴェルサイユで働く者にも動揺が走る。王妃は最初逃げようとするが、王の意向もあってとどまることにする。しかし自分の愛するポリニャック夫人は無事に逃がしたい。
 それまでの場面ではどちらかというとわりと穏やかなマリー・アントワネット像だなと思っていたのが、ここで一気に、自分への愛を利用しようとする強引な女に変わる。王妃は、朗読係の少女に命じるのだ。ポリニャック夫妻と一緒に逃げて。ただし、あなたが彼女のドレスを着るの。彼女が小間使いになるのよ。
 怒る民衆に捕まったら、ドレスを見て、どちらがどうされるかわかりきっている。しかし少女はその役を引き受ける。
 少女がレア・セドゥ、アントワネットがダイアン・クルーガー、ポリニャック夫人がヴィルジニー・ルドワイヤン。セドゥのどこか幸せ薄そうな顔が、役に似合っている。近づいてくる不穏な空気や、女どうしの醸し出す濃密な気配が漂っているのが見ものだと思う。


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