2016年04月08日
Mrホームズ 名探偵最後の事件
以下の文章では、映画『Mrホームズ 名探偵最後の事件』の内容・結末に触れています。ご了承ください。
ホームズ大好き、な人ならもっと細部が楽しめるのかもしれない。コナン・ドイル原作のものではなく、引退したホームズを想像して描いた小説がもとになっている。
90歳を越えたホームズは、海辺の家でミツバチを飼って暮らしている。相棒だったワトソンはとうに亡くなり、家政婦とその息子が話し相手だ。
冒頭のホームズは、日本から帰ってきたところ。長年のファンでミツバチにも薬草にも詳しいと手紙を送ってきた男を訪ねたのだ。どうやら自分の記憶の衰えを意識しているらしいホームズは、それを少しでも食い止めようと薬草を日本から持ち帰ってきたらしい。しかし日本で会った男は実は「父は、イギリスであなたに会ってから、日本に帰って来なかった」と恨みを言うためにホームズと話したかったようだ。だが、その男の父とどんな会話を交わしたか、ホームズには思い出せない。この日本パートで出てくるのが真田広之。
ホームズにはもうひとつ、はっきりとは思い出せない事件がある。自分が引退するきっかけになった事件だ。ワトソンが書き残したものとは結末が違っていたと思うのだが、それが思い出せない。
家政婦とその息子とのやり取り、日常の中で起きる事件を通しながら、ホームズはやがて、戦争が始まった時に日本人に告げた言葉を思い出し、最後の事件の結末も思い出す。いずれの場合も、ホームズは正しいことを言ったのだが、関係者は幸せにはならなかった。
今のホームズは、家政婦とその息子を引き止めることが自分にとって必要だということがわかる。孤独を教養で埋めてきた男が、無学な家政婦に頼みごとをし、その息子と心を通わせる。
そんなのホームズじゃない、という人もいるかもしれない。日本人としては「不思議の国ニッポン」みたいな日本パートも気にかかる。
しかし、回想シーンで登場するホームズがスタイリッシュなので(もちろん、老ホームズと同じイアン・マッケランが演じている)それを見るだけでもいいか、という気にもなる。つまり私がホームズものを見る楽しみは、世紀末の雰囲気を感じる楽しみによるところが大きいのだろう。
ホームズ大好き、な人ならもっと細部が楽しめるのかもしれない。コナン・ドイル原作のものではなく、引退したホームズを想像して描いた小説がもとになっている。
90歳を越えたホームズは、海辺の家でミツバチを飼って暮らしている。相棒だったワトソンはとうに亡くなり、家政婦とその息子が話し相手だ。
冒頭のホームズは、日本から帰ってきたところ。長年のファンでミツバチにも薬草にも詳しいと手紙を送ってきた男を訪ねたのだ。どうやら自分の記憶の衰えを意識しているらしいホームズは、それを少しでも食い止めようと薬草を日本から持ち帰ってきたらしい。しかし日本で会った男は実は「父は、イギリスであなたに会ってから、日本に帰って来なかった」と恨みを言うためにホームズと話したかったようだ。だが、その男の父とどんな会話を交わしたか、ホームズには思い出せない。この日本パートで出てくるのが真田広之。
ホームズにはもうひとつ、はっきりとは思い出せない事件がある。自分が引退するきっかけになった事件だ。ワトソンが書き残したものとは結末が違っていたと思うのだが、それが思い出せない。
家政婦とその息子とのやり取り、日常の中で起きる事件を通しながら、ホームズはやがて、戦争が始まった時に日本人に告げた言葉を思い出し、最後の事件の結末も思い出す。いずれの場合も、ホームズは正しいことを言ったのだが、関係者は幸せにはならなかった。
今のホームズは、家政婦とその息子を引き止めることが自分にとって必要だということがわかる。孤独を教養で埋めてきた男が、無学な家政婦に頼みごとをし、その息子と心を通わせる。
そんなのホームズじゃない、という人もいるかもしれない。日本人としては「不思議の国ニッポン」みたいな日本パートも気にかかる。
しかし、回想シーンで登場するホームズがスタイリッシュなので(もちろん、老ホームズと同じイアン・マッケランが演じている)それを見るだけでもいいか、という気にもなる。つまり私がホームズものを見る楽しみは、世紀末の雰囲気を感じる楽しみによるところが大きいのだろう。