2014年09月14日
『ヴァイブレータ』
以下の文章では、映画『ヴァイブレータ』の内容・結末に触れています。ご了承ください。
文化人というのはオタクだから、オタク向けの小ネタを満載した作品は受けるのだ、とどこかに書いてあって「そうかも」と納得した。
しかしオタクはどこかで、オタクであることに満足してはいかん、社会的に人と関わりを持たねば……と思っているような気もする。いや、そう思ってほしいという作り手の願いが、オタクっぽい主人公が現実の世界の人と関わりを持つストーリーを生み出すのだろうか。映画でも『電車男』や『モテキ』の男主人公はオタクっぽいが、現実の人間と何となくハッピーエンディングらしい結末を迎える。
『ヴァイブレータ』の女主人公もオタクっぽい。31歳、フリーランスのルポライターという設定は、そこそこ文章を書くのは好きだけど組織に所属するのは苦手、という人間を想像させる。
主人公を演じた寺島しのぶが、この映画で高く評価されたことは聞いていた。ヌードを含む大胆なラブシーンを演じると「体当たりの熱演」と言われるのは定番のようだ。逆に、そうしないと「熱演」と見なされないのであれば、女優さんも大変だと思う。
コンビニで出会ったトラック運転手に惹かれ一夜を過ごし、翌朝帰ろうとするが戻ってきて新潟から東京へ荷物を運んでいるという彼の「道連れ」にしてもらう。もちろん、惹かれたのは肉体だろうが、トラックの中でこれまでの自分のことをあけすけに話す男に、女はさまざまな質問をして、楽しそうだ。夜景や雪景色も効果を上げている。
女は「食べては吐く」というのが常習化していたらしく(回想シーンで示される)、昔は不登校児だったらしい(それは声で示される)。金髪の、ちょっと恐そうな男は、女が気分が悪くなった時には優しくしてくれる男でもあった。男と一緒に食堂で食べたものを、女は吐かずに済む。
2003年の映画なのだが、コンビニから始まってコンビニで終わるのは興味深い。夜遅くても開いていて何でも揃っている、というのがコンビニだが、人との出会いもそこには揃っているというわけか。
文化人というのはオタクだから、オタク向けの小ネタを満載した作品は受けるのだ、とどこかに書いてあって「そうかも」と納得した。
しかしオタクはどこかで、オタクであることに満足してはいかん、社会的に人と関わりを持たねば……と思っているような気もする。いや、そう思ってほしいという作り手の願いが、オタクっぽい主人公が現実の世界の人と関わりを持つストーリーを生み出すのだろうか。映画でも『電車男』や『モテキ』の男主人公はオタクっぽいが、現実の人間と何となくハッピーエンディングらしい結末を迎える。
『ヴァイブレータ』の女主人公もオタクっぽい。31歳、フリーランスのルポライターという設定は、そこそこ文章を書くのは好きだけど組織に所属するのは苦手、という人間を想像させる。
主人公を演じた寺島しのぶが、この映画で高く評価されたことは聞いていた。ヌードを含む大胆なラブシーンを演じると「体当たりの熱演」と言われるのは定番のようだ。逆に、そうしないと「熱演」と見なされないのであれば、女優さんも大変だと思う。
コンビニで出会ったトラック運転手に惹かれ一夜を過ごし、翌朝帰ろうとするが戻ってきて新潟から東京へ荷物を運んでいるという彼の「道連れ」にしてもらう。もちろん、惹かれたのは肉体だろうが、トラックの中でこれまでの自分のことをあけすけに話す男に、女はさまざまな質問をして、楽しそうだ。夜景や雪景色も効果を上げている。
女は「食べては吐く」というのが常習化していたらしく(回想シーンで示される)、昔は不登校児だったらしい(それは声で示される)。金髪の、ちょっと恐そうな男は、女が気分が悪くなった時には優しくしてくれる男でもあった。男と一緒に食堂で食べたものを、女は吐かずに済む。
2003年の映画なのだが、コンビニから始まってコンビニで終わるのは興味深い。夜遅くても開いていて何でも揃っている、というのがコンビニだが、人との出会いもそこには揃っているというわけか。