2014年07月08日

『マイレージ、マイライフ』

 以下の文章では、映画『マイレージ、マイライフ』の内容・結末に触れています。ご了承ください。

 題名は知っていたが、見たのは初めて。
 日本の航空会社でも、そういうのはあるけれども、その会社の飛行機で飛んだ距離数(マイル)を貯めると特典がもらる仕組み。この映画の主人公のライアンはせっせとそれを貯めている。1000万マイル貯めて、機長に隣に座って話をしてもらうというのを目標にしている。
ライアンがなぜそんなにマイルを貯めることができるかというと、出張の多い仕事だから。いわばクビ言い渡し人。そういう「解雇言い渡し代行会社」が本当にあるのかどうかは知らないが、とにかく企業の要請によって、国中を駆け回って解雇の言い渡しをしている。
 ライアンが勤める会社に優秀な新人が入り、直接向き合わなくてもネットを活用することを提案する。とんでもない、と反対するライアンはその新人を連れていわば研修をさせるはめになる。
 仕事ばかりで身内のことにも構わずにきたライアンが、新人とのやり取りや妹の結婚式を経て変化し、行きずりの関係と思っていた女性の家を尋ねてみる。ここでハッピーエンディングになればロマンチックコメディだ。しかし女性には夫も子供もいて「割り切った関係でしょ」と言われてしまう。「あなたは『息抜き』なの」と。
 ライアンにとって最悪な状態の時に1000万マイルが達成され、機長の隣で話す。
「この時を夢見ていました。あなたとの会話を想像して」と言うライアンに機長は「どんな会話を?」と尋ねるが彼は「忘れました」と答える。このセリフには、夢がかなう時にはこういう場合もあり得るだろうと思わせるリアリティがある。
 優秀な新人は辞め、出張は復活する。「人と人との絆」の大切さを謳いあげる物語が多い中で、それに気づいたからといってそう上手にはいかないんだよ、と言いたげなところが面白い。  

Posted by mc1479 at 13:30Comments(0)TrackBack(0)
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