2013年09月22日

デルフィニウム

 海を思わせる青い色の花、と見えるのは実はガクが変化したもので、花はその中にあるそうだ(アジサイみたいですね)。
「つぼみが、イルカに見えるというのが名の由来です」
 イルカはドルフィン。そうか、ドルフィン→デルフィニウム。
「茎にも葉にもいくらか毒性がありますから、食べたり、蜜を吸ったりなさらないように」
 そうなんですか。すずらんに毒のあることは知っていたけれど、この美しい青い花もそうだなんて。
 デルフィニウムというと『結婚しない』第4話で工藤純平くんが結婚式のブーケに作った花、というイメージしかないもので。危険な花でもあったんですね。
 おまけに。この小説にも「花言葉を添えてある花屋」が出てくるのだが、デルフィニウムに添えられたタグが「私は浮気者」。えっ?
 しかしタグを裏返すと別の言葉が書いてあって「あなたは清らかな人」。
 花言葉にはいくつもバリエーションがあるとはわかっていたつもりだけれど、そうなんですか。
 
 ちなみに、これらのことが出てくるのは、長野まゆみの小説『レモンタルト』。
 長野まゆみといえば、少年たちの心情を描く人、という印象があったのだけれど、こういう大人の男を主人公にした話もあるのだ。『レモンタルト』は、表題作を含む短編連作集。語り手の私(男性)は、姉亡き後も、二世帯住宅のようなところに同居する義兄に、心惹かれている。すっかりデルフィニウムのことばかり書いてしまったが、義兄とのそういう設定が好みだわ、と思われる方はどうぞ。  

Posted by mc1479 at 08:57Comments(0)TrackBack(0)
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。 解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
mc1479