2013年06月05日

マクベス

 NHKのBSで放映されたのを見た、野村萬斎構成・演出・主演の『マクベス』。劇の中継前に入っているインタビューの言葉を借りるなら、「大胆に狂言や能の手法を取り入れて日本化」したマクベス。マクベスとマクベス夫人以外は、3人の男性によってすべてが演じられる。つまり、魔女、バンクォー、王、使いの者など。出演者は計5人というわけ。
 人数を少なくしたマクベスというのは昔、大学生の演じたそれでも見たことがある。その時は3人の魔女は一人でまとめて演じていた。
 だから萬斎版の『マクベス』の見ものは、少人数化というよりも、様式化なのだろう。殺陣のシーンでマクベスが見せる動きにそれは最もよく表れている。魔女その他を演じる3人も、場面に応じてダンスのような動きを見せる。
 キモノ風の衣装も、図案化された模様の描かれた布(ある時は幕になり、ベッドの天蓋のようにもなる)、もっと大きなせりあがってくる布(木々の模様が描かれたそれがバーナムの森を表す)も、極めて日本的に見える。

 マクベス夫人だけが、様式的な動きを見せない。たとえば、夢遊病のシーンなど、そういう演出もできたと思うのになぜ?
 勝手に理由を推測してみると、彼女だけが「女」であるから?
 女には「型」や「様式」は、ない。女はリアルな生身だから…もしかしたら萬斎さん、そう思っているのでしょうか?  

Posted by mc1479 at 09:57Comments(0)TrackBack(0)
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